30 Aug 2017

27歳、大学院生になります!

ケンブリッジ留学ふりかえり①ケンブリッジ留学ふりかえり②
長々とここまでの道のりを書いてきましたが、

大学院準備コースを受け、IELTS 7.0を取り、
出願した3つの大学全てから無条件付き入学許可(unconditional offer)を頂けたので、

来月からイギリスの大学院生になります!





IELTS 7.0は決して高いスコアではありませんが、
私なりにケンブリッジ留学で「今までにないくらい勉強したー!」
という英語学習と大学院準備に対する満足感が得られたので、良しとしています。


しっかりサポートしてくれる数少ない親身な先生と、進学カウンセラーと、
IELTSをともに戦った戦友と、大学院出願の際に推薦状を書いてくださった方々など、
有難い方々のおかげで、ここまで来れました。

静かに見守ってくれている両親と、
一番寂しいはずなのに一言も反対せずに背中を押し続けてくれるパートナーと、
いつも応援して励ましてくれる親友たちの存在の大きさも計り知れません。



ただ、これは始まりであって、これからが一番大変なはず。


イギリスの文系の大学院は基本的に1年間ですが、
ケンブリッジ留学ふりかえり②でも書いたように、
日本の大学のシステムとは違うし、ましてや当たり前ですがすべてが英語なので、
ちゃんとやっていけるのか、ちゃんと一年で卒業できるか、本当に心配です。

課題、読みたい論文など勉強もそうですが、
ちゃんといろんな国からの友達作って交流して 海外にいる意味見出したいし、
運動して体力つけたいし、
留学立て続けにして冗談抜きで文無しになるので(自分の貯金からすべて捻出しました)アルバイトもしたい…
インターンとか、ボランティアもしたい。

やりたいことが盛りだくさんです。



ちなみに、というか、これが一番大事なことなんですが、
私が研究するテーマは、
「学校と地域において多様性を受容するための大学の役割」の予定です。


イメージはこんな感じ↓


出典:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/052/052_02/siryou/__icsFiles/afieldfile/2012/10/31/1327499_04.pdf

この事業すごくいいな~イメージ通り!!って思ったのですが、
数年でいつの間にか無くなってしまった??みたいなんです。
文部科学省のホームページ見ても見つからなくて、がっかりしました。



日本に来る外国人留学生たちに、
日本での生活を安心して楽しんでもらえるよう十分なサポートを提供すること
(学生生活、生活全般、就職活動など)、

彼らがもっと地域とかかわりと持ち、まちづくりや地域活動に参加し、

地域住民との多文化共生につなげていくこと、

そういうことが体系的にできたらいいなと考えています。


そのためにまずは私が、専門分野の知識をつけ、
留学生として、イギリスでどんなサポートを受け、
どう地域参加ができるかということに挑戦してみたいと思っています。

29 Aug 2017

ケンブリッジ留学ふりかえり②

ケンブリッジ留学ふりかえり①の続き


去年の6月からIELTSというイギリス圏への留学の際に必要な英語の試験の勉強を始め、
ListeningとSpeakingはそこまで問題はなかったけれども、
もともと全般的に苦手意識のあったReadingと
人生初の英語でのWritingテストに全く歯が立たず、
大学院の出願に最低限必要とされるIELTS 6.5というスコアを目指して
語学学校にお世話になることにしました。



私が受けていた大学院準備コースでは、まず出願に最優先のIELTSの対策をしながら、
欧米圏での大学の授業に必要なスキルも勉強しました。

例えば、日本の大学ならば、
朝または昼近くに学校に行って、講義を受けて、出席でカウントしてもらって、
テスト期間にレポート提出か、教科書から出る暗記テストを受ける、みたいなのが多いかと思います。
少なくとも、私の時代の大学、学部、学科はそうでした。
他の友達にも聞いてみましたが、アジア圏の大学は似たところがあるようです。


欧米では、もちろん講義はありますが、出席は取りません。
講義の後にセミナーという少人数のグループに分かれて、ディスカッションしたり、
頻繁にレポートまたはエッセイの提出があり、プレゼンテーションもあります。


大きく違うのは、学業の忙しさと、
暗記ではなくて文献や他の信頼できる資料を基に
いかに自分の意見をまとめられるか、のようです。


私の場合、日本語ですらディスカッションの経験も、
エッセイを書く経験もほぼ皆無でしたし(卒論もなく大学卒業できてしまいました)、
まずはその準備と、それが英語で成せるようになることが必要だと感じて、
このコースを受けることにしました。




■大学院準備コースを受けてよかったこと

・アカデミック・イングリッシュ(学術的な場面で頻出する英単語・表現)をみっちり練習できたこと
・講義の聞き方、ノートの取り方も練習できたこと
・セミナー、プレゼンテーションのやりかたを身につけられたこと
・クリティカルシンキング(批判的思考)をより活性化できたこと
・エッセイの書き方、リサーチの仕方を学べたこと

など、学術面で大いに役立ちました。

また、留学初日「授業についていけなかったらどうしよう…」という私の不安を大きく裏切ったのは、

生徒が誰もいなかったこと!(笑)


拍子抜けした…

しばらくマンツーマンだったのと、
その後もマックス4~5名しか受講者はおらず、極めてパーソナライズした授業を先生方には行ってもらうことができました。

IELTSのWritingの練習も、ほとんど毎日添削してもらえたし、
普段の会話やSpeakingの練習でも、逐一訂正してもらうことができたのはすごく良かったです。



学校以外でも、特に渡英後2か月はだいぶエンジョイしてました。
イギリス・ケンブリッジで生活を始めました。I began my new life in Cambridge.


ただ、早くもこのあたりから私の"日本帰りたい病"も始まりました。(笑)



■"日本帰りたい病"の理由

・食べ物

やっぱり日本食が一番…。
慣れ親しんだ味や、安くて美味しいものがさくっと手に入らない不便さは大いにありました。
松屋ないのかな!!って本気で思いました。(笑)

もちろんその分自炊したり、中華料理店に行く頻度は上がりましたが、
お昼ご飯は買って食べようというときは、どこに行ってもサンドイッチか パサついた冷たいお惣菜パスタ。
温かいスープや おにぎりがひどく恋しかったです。



・人恋しい

朝起きたときや帰ってきたときに たわいもない会話ができる相手(日本だったら実家なので、両親)がいない、パートナーが恋しい、親友に会えない。
内向的な私だからこそ、家にいるときや ほっとしたいときに、完全に心を開いている人間が近くにいないのは結構つらかったです。


・家で落ち着けない

たった半年の間でしたが、一度引っ越しをしました。
治安面ではケンブリッジは海外ではまれな、日本並みの安全さがありましたが、
心の治安は違います。

一か所目のところは、6部屋(一人1部屋)+キッチンで1セット×6セクションという学生寮に住んでいました。
なぜか私のセクションはアジア人がひとまとめにされていて、
台湾人 2人、香港人、タイ人、日本人、そして管理人のイギリス人の43歳独身男性でした。

タイ人と私だけが女性で、その分彼女とはとても仲良くなれたのだけれど、
中華系の少年たちは食べ盛りなのか一日に5食くらい食べてて、
しかも料理上手なので彼らの友人も含めて10人弱が毎晩キッチンを占領していて、ちょっと迷惑でした。
しかも、夜の11時近くになると謎の茶話会が始まって、うるさい。
夜中は隣の少年の部屋から、太鼓の達人並みのドラム音が聞こえてくる…。
(好きな音楽をイヤフォンで聞いて、ノリノリで机を叩いているようでした)

ただ、彼らの行動はまだかわいいようなもんで、
一番迷惑なのは、43歳独身男性のセクシャルハラスメントでした。

15年この仕事を住み込みでしているらしく、確かに仕事はまじめにやっていました。
しかし、すんごいおしゃべりで、全生徒に自分の仕事の愚痴を漏らして、
男女問わずでしたが無駄に身体を触ってくる。

私はその人から逃げたかったのと、
他にもその寮の設備の不便さが気に入らなかったので、引っ越しました。


ところが…

引っ越した先は、学校が契約しているホテルが所有する長期滞在者用の寮でした。

引っ越したその日の晩、気温4℃の中でシャワーが突然 水しか出なくなり、
いきなりの洗礼。

管轄しているホテルに問い合わせると「悪いけど、今夜はもう何もできないから」の一言。
シャンプーをつけてしまった私は、修業並みの水シャワーを浴びました。

また、一緒に住む同じ学校の生徒は、毎晩うるさいと悪名高いイタリア人少年×3。

彼らの友達(こちらも10人弱)も含めて、料理の仕方がわからないのか、
火災報知器を毎晩のように鳴らす始末。
夜11時12時に寮内を走り回り、大声で話し、音楽を爆音で聞く。

部屋で試験に向けて勉強している私は何度ブチ切れことか…。

キッチンの私の戸棚や冷蔵庫の棚から、何度も私の調味料や食べ物も盗まれました。

(イタリア人だから、ということではなくて、おそらく若気の至りというやつでしょう)




・イギリスのカスタマーサービスのクオリティの違い

よく「海外のサービスは悪い」と言われることがありますが、
私が思うに、どこまでの何がサービスなのか、という基準が違うのだと思います。

イギリス・ケンブリッジで生活を始めました。I began my new life in Cambridge.で書いたときは、
「自己責任」的な感じがいいな~なんて思ってたけど、
そのあと私はひどくこのカスタマーサービスに対して憤慨してきました。(笑)

担当者の担当を超えた手助け、サービスはしない。それが彼らの普通、のようです。
意地悪してるわけではなく、それが当たり前。たぶん。

憤慨しておいてなんですが、そういうものだと思わないと、心が持ちません。

ただ、ひどい例は、学校の極めてパーソナライズされた授業は、
実は裏を返せばあまりちゃんとしたカリキュラムが存在していないようで、
かなり高い授業料を納めているにもかかわらず、
全然教える能力のない"先生"が担当講師の代講として現れたり、
3時間ただ世間話でおしゃべりして終わったり、
なんの引き継ぎもされてなくて、また別の代講に自己紹介して90分終わったり、
「今日は何やりたい?僕はフレキシブルだよ!」とか平気で授業の準備してこないことがあったりしました。

また、試験結果の再採点を有料で依頼して、再採点で点数が上がれば返金というシステムをとっているIELTSで、
イギリスのIELTSセンターが返金対応を4か月近く放置しているというのも、現在進行形であります。



このように、このたった半年で結構ストレスに感じることも多く、
私は異文化に適応できない人間なんだろうかと心を痛めております。



やっぱり、日本がいい。

 


良くも悪くも私はこの半年の経験を通して、
「外国人反対」と言っている人の気持ちが少しだけ理解できてしまった。

自分の生活や心の安泰が脅かされれば、それを排除したい気持ち、生まれるよね。


ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、
「外国人だからダメ」ではないということ。


たとえば、日本にいる外国人の場合を考えてみると、

・日本人以上にマナーやルールを順守している外国人
・日本人と同じレベルで振舞っている外国人
・その場でのルールの存在を知らない、十分伝わっていないがために守れない外国人
・マナーやルールの存在をわかっていて、わざと違反している外国人

など、レベルがあると思うんです。

上から2つはなんの問題もないし、
そういう人に対して差別的な言葉を浴びせるのはお門違いですね。

3つ目は、ただのコミュニケーション不足。
ちゃんと伝わるように示せなかったこちらにも非があるし、
よくある「外国人はゴミ出しの日を守らない」とかそういうのはこれに分類されると思います。

問題なのは、4つ目。
私が特に不快感を感じたイタリア人少年団の行いは、ここに分類されます。
何度注意されても、守れない。というか、守ろうという気が回らないくらい自分たちのお遊びに夢中。

こういう人たちを受け入れましょう、というのは私にはできないし、
それを日本社会に「多文化共生」だといって受け入れさせようなどとは思っていません。


また、もう一つ心に留めておくべきことは、
「日本人の中でも悪い奴、非常識な奴はたくさんいる」ということ。

コンビニのアイスの冷凍庫にお入りになるのは、非常識な日本人たちでしたね。
花火大会の会場のゴミを散らかして帰っていくのも、割合でいえば見物客は日本人のほうが多く、その中の非常識な人間が行っているわけですよね。


というわけで、私が目指したい多文化共生というのは、
むやみやたらに外国人は歓迎しましょうという意味ではなくて、

先ほど挙げたいろんなタイプの外国人の1~3にあたる人たちが、
地域の日本人といかに円滑な関係性を築いていけるか、というのがキーになります。


こうして、自身の体験を通して、研究したい題材が見えてきました。(次回に続く)