9 Jun 2016

ベトナムの日本語教育事情と技能実習制度、ボランティア4日目

先日、ベトナムの日本語学校に講師として勤めていた人のお話を伺う機会がありました。

ベトナムという国の背景と、その方が実際に経験した出来事を中心に、
ベトナムでの日本語教育事情と、
日本に存在する技能実習制度について触れていました。


まず、技能実習制度とは前回の記事の動画にもありますが、
改めて説明すると、

日本で習得した技能を開発途上国へ移転し、人材育成を支援することを目的としているものです。
(参考:厚生労働省の技能実習制度)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/global_cooperation/gaikoku/

「公益財団法人 国際研修協力機構」Japan International Training Cooperation Organization
(JITCO、ジツコ、http://www.jitco.or.jp/)が推進している。

近年は中国を抜いて、べトナムからの技能実習生が多いそうです。

しかし、世界中から非難されているように
この技能実習制度の受け入れ先企業による低賃金や時間外労働等のトラブルや、
また、実習生の失踪の問題が上がっています。

ベトナム人留学生はなぜ技能実習生を調査したのか(6)不当な「家賃」と巧妙化する搾取、悪化する対日感情


そして、この技能実習生が日本での実習を開始する前には、
4か月間、ベトナム本国で日本語を学習しなければなりません。

そこで大きなビジネスになっているのが「送り出し機関」と呼ばれる日本語学校。

その国の管理団体が推奨する日本語学校の情報をまとめたものを
JISCOはなんの監査もなくそのまま認可しているようです。
パッと見は公的な認可かと思いきや、
責任はなく、推奨、"指導"しているというグレーゾーンを保っています。

また、建て前上は
技能実習生はN4(日本語能力試験4級)を習得して日本へ送り出されている
ということになっているようですが、考えてみてください。

まったく未知の言語を4か月学んで、4級レベルを取ることは非常に難しいものです。
これも実際に日本に来て苦労する一つの要因にもなっているようです。



昨日のボランティア4日目にて、
引き続き中国人のOさんと、持ってきてもらったN1のテキストを基に
一緒に日本語の語彙の勉強をしました。

そこで彼女が実体験として語ってくれたのは、
彼女が通っていた日本にある日本語学校の講師は、
日本語教師の資格を持っておらず、主婦のパートタイムのようなスタッフが多く、
教え方や知識に偏りがあったとのこと。

「資格」がすべてではありませんが、
しっかりと授業料を取る機関で教える人間に、
それだけの技術があるかどうかということが
日本語の学習者にとってはとても大事だと思います。


早急な外国人技能実習制度の見直し、または撤廃と

JITCOが責任の問われる立場にしっかりと立ち、
推奨する日本語学校のクオリティの統一はしっかりなされるべきだと考えました。